今年度も各社の電子辞書ラインナップを概観して,当サイトとしてお奨めできるものがあるか比較・検討してみます。基本的な選び方は昨年度とだいたい同じです。(→ 昨年度のものはこちら)
電子辞書は数社から販売されていますが,よく使われている(つまり売れ線)なのは,シャープ,カシオ,セイコー(SII)の3社で,ここでもこの3社を取り上げます。(他社のものが悪いというわけではありません。調査していないだけです。といってもあと1社くらいしかないのだが。)
選ぶ基準は?
各社の電子辞書はいくつもの製品ラインアップを持ち,それぞれ年間1~2回バージョンアップしていますが(たいてい 1 ~ 3月),大きく分けると,
- 総合型 —- 一般向け 生活関連やビジネスなどが充実 。大学受験や英語の専門家以外ならこのタイプでしょう
- 学習型 —- 大学受験を意識して作られているタイプ
- 語学専門型 —- 外国語を強化(受験向き,生活関連は弱い)
- その他 —- それ以外。ビジネス向け,医療関係者向けなどのものもある。廉価版も含む
になります。
電子辞書は一生モノではない,ということに注意してください。つまり,寿命があるということです。(私の経験では3年弱。ホントはもっともつはず)。
各社の製品には
- シャープ —— 総合型にはワンセグ対応も。総合型は語学面,学習面は弱い。
- カシオ —— 全型において辞書コンテンツでは一番充実。新製品の投入数も多い。
- SII —— 総合型や学習型は弱い。語学専門型で勝負。
という傾向が見られます。
機能面では同じ価格帯なら似たような機能になりますが,最近はちょっといろいろな機能をつけすぎているキライがあります。自分にとっては,あまり必要ない機能,あればあったでいいがなくても困らない機能かもしれません。
- 検索機能 — コンテンツ以外では,これが重要。たくさんの辞書を横断的に検索できる機能や熟語(成句)検索で&検索したり,例文検索,ワイルドカード検索があると便利。だいたい各社とも,この機能はついているが,辞書によって使えないものもある。個々で取り上げた機種なら,たぶんあまり優劣は出ない。
- 手書き認識機能 — 確かに,キー入力が苦手なお年寄りやキー入力しにくい漢字には便利だが,高校生ならキー入力を覚えるべきでしょう。漢字も漢和辞典の引き方を知れば,この機能は不要。ただ,SII を除き,最近の機種はこの機能付きのものが多い。
- キー配列 — 日本語はJIS配列,英語はQWERTY配列が基本。学習型や語学専門型はふつうこれ。 50音配列は,お年寄り以外はお奨めしません。
- ネイティブ音声 — 絶対にほしい機能ですが,だいたい全機種についています。ふつうは辞書に音声がつくのですが,カシオは音声機能を辞書と分離して,すべての辞書から音声を出せるようにしているのはえらい。SII にはイギリス英語・アメリカ英語両方の発音を搭載しているものもある。 なお,音声機能にはネイティブ音声(実際の発音)と機械的な合成音声(概して聞き取りにくい)がありますが,英語は普通ネイティブ音声で録音されていますが,すべての単語がネイティブ音声だとは限りません。
- コンテンツ追加機能 — CDやデータカードで辞書コンテンツを追加することができるものです。本体のメモリ量によってどれくらい追加できるかが決まります。ホントは欲しい機能ですが,追加コンテンツは値段が高く,高い金を出して買っても本体の寿命は長くて数年。後継機種でも買ったコンテンツが使えるという保証はない(私はたくさん買っているので使えないと困るのですが)。英語以外の外国語をやるのでなければ,それほど魅力的なコンテンツはないかも。
- パソコンとの連携機能 — カシオはPCのテキストファイルを電子辞書に取りこむことができるものがあります。でも,何と言っても,SII の PASORAMA™ が画期的。電子辞書をUSBでつないで,PC側にデータをコピー&ペーストできる機能でこれは使えそうです。今のところSIIの一部の機種のみ。他社も遅れて追随するでしょう。SIIがリードを保てるか,注目です。 むしろライバルはネットの無料辞書。
- ワンセグ — ほしければどうぞ。授業中に見ないようにネ。
- カラー液晶 — ワンセグがいらないならいりません。 場所によっては,カラーよりバックライト機能が欲しい時もある。ただ,これを使うと電池の消耗が早い気がする。
- 辞書 — 最低限欲しい辞書は,英和・和英・英英・国語辞典・漢和辞典・百科事典といったところでしょう。これにプラスして,受験用(文系)としては古語辞典,日本史・世界史辞典。英語教師・英語プロ用なら,英和活用辞典(書く人には必携),シソーラス,もう一冊の大型英和辞典などが考えられます。理系の受験生には,生物・化学あたりなら辞典があるのも便利でしょうが,不要ならワンランク下(つまり今述べた「プラス」部分のないもの)でもかまいません。 ちなみに中学生なら「ベーシック・ジーニアス」など初級用英和がほしいところ。
- 百科事典— 搭載されるのは「マイペディア」(本なら1巻),「ブリタニカ国際」(本なら7巻)のどちらか,または両方(両方ないものも)。使ってみると,当たり前だが,「ブリタニカ国際」の方が詳しい。
- 学習用コンテンツ — テスト機能付きなどの単語集・熟語集・参考書など使えるもの使えないものさまざまあります。最初はきっと使うと思いますが…
選んでほしくないのは,折り畳み式でない液晶画面の小さい電子辞書(安いですが)。もともとペーパー辞書と比べた電子辞書の欠点として,一覧性の低さがあげられます。電子辞書は画面スペースが限られ,また熟語や例文のボタンを押さなければそれらが出てきません。それに対し紙の辞書は広くいろんな情報をブラウズすることができます。画面が小さい電子辞書にはその欠点が最も顕著に表れます。この程度の電子辞書なら,どこかでおまけとして無料配布されることもあります。同じ意味で,辞書代わりに携帯を使うのもおすすめしません。
今年度の特徴
電子辞書は毎年少しずつ進化していますが,といって劇的に進化しているわけではありません。使わない機能を付けて「新発売」することも多いようです。型落ち製品でもいいものはあります。
今年は SII の PASORAMA 機能(上の「パソコンとの連携機能」を参照)が目新しいところ。それ以外は,手書き認識がSII以外では一般的になったとか,コンテンツが少し増えたとか,図を表示できるものが増えたとか,ネイティブ音声が増えたとか,各社びみょーに進歩しています。予想どおりワンセグ対応やMP3プレーヤ搭載機種は増えていません。
電子辞書搭載辞書の種類とグレードについて
学習英和
単語の意味や例文だけでなく,どのように使えるのか,どのようなニュアンスがあるかなどの情報まで詳しく載っている,英語学習者向けの辞書が「学習英和辞典」です。高校生はもちろん,大学生・一般の人にも役に立ちます。たいていの中型辞典(メジャーなもので数種類あります)がこのタイプですが,電子辞書に搭載されているのは,ふつう大修館の「ジーニアス英和辞典」のシリーズのどれかです。「ジーニアス大英和辞典」は大辞典なので,分類としては本来は「専門英語辞書」に入れるべきですが,語法・文法情報は中辞典の「ジーニアス」と同じなのでこのジャンルに入れておきます。
= ラインナップ・グレード順 =
ベーシック・ジーニアス(中学生・高校初級) < ジーニアス(高校・大学・一般) < ジーニアス大英和
ただし,「ジーニアス・第4版」は「ジーニアス大英和」よりも新しい。
- 中学生には, 「ベーシック・ジーニアス」搭載機種(今回選定の16機種中,カシオ XD-SF2500,シャープ PW-GT570)
- 高校生には, 「ジーニアス第4版(G4)」か「ジーニアス大英和辞典」(全機種)
- 英語専門家も,高校生と同じ。ただし,加えて,専門英語辞書が必要。
英英辞典
英語のネイティブスピーカーではない人向けに作られているのが「学習用」英英辞典で,これがいちばん必要な英英辞典です。もっとも,これが使いこなせる人は高校生にはほとんどいません(英和が充実しすぎ,ということもある)。
ネイティブ向けの英英は専門家・かなりの上級者以上は必要ないですし,現在の電子辞書に搭載されているものは,ちょっと中途半端なものが多いです。持ってて損はないけれど,というレベルのはなし。専門家というのは,その名のとおり専門分野を持っているわけで,その専門分野によっては必要不可欠かもしれないし,不要かもしれません。
● 学習用英英辞典 = このタイプの英英辞典として有名なのは,
- オックスフォード社の Oxford Advanced Learner’s Dictionary (7th edition) (略称 OALD)
- ロングマン社の Longman Dictionary of Contemporary English (4th edition) (略称 LDOCE)
- ハーパー・コリンズ社の Collins COBUILD Advanced Learner’s English Dictionary (5th edition) (略称 COBUILD コウビルド)
の3つです。大半の電子辞書が,OALDを採用しています。LDOCE はカシオXD-SF4800, XD-St4100Hの2種,COBUILDはSIIのSR-G10001とSR-G10000についています。(ただし,SR-G10000の方は古い第3版,SR-G10001は最新版のようです)
また,LDOCE は電子辞書に搭載されているのは「4訂増補版」ですが,書籍版は第5版が2008年末にでました。
この3つ以外でカシオXD-SF2500についているのは,
- 小学館・ケンブリッジ社のケンブリッジ英英和辞典
で,これはCambridge Learner’s Dictionaryの一部に日本語をつけ足したものです。初・中級者向けです。
● ネイティブ用英英辞典 = 英語専門家用と言っていいでしょう。電子辞書に搭載されているものでは,
- Oxford Dictionary of English
- The New Oxford American Dictionary
があります。前者はカシオXD-GF10000, XD-GF9800,シャープPW-LT320,SIIのSR-G10001, SR-G10000,後者はカシオXD-GF10000 SIIのSR-G9000, SR-S9001, SR-S9000にあります。オックスフォード,ロングマン,コリンズはすべてイギリスの出版社であり,だからイギリス英語中心かというと,そんなこともありません。アメリカ用法も載っていますから,それほど心配はいりません。
● 学習用用法辞典 = 英英で,かつネイティブでない人向けの学習用の用法辞典です。英語教師などの間で評価が高いのは,
- Longman Language Activator
- Oxford Learner’s Wordfinder
の2冊です。一種のシソーラス(類語辞典)ですが,単に類語を列挙しているのではなく,英語学習者向けに解説や例文をふんだんに載せているおもしろい辞書です。でも,高校生レベルで使い切れる人はあまり見かけません。せめて英語を専門にする大学生なら持っていて欲しい辞書です。
Activator は,カシオXD-GF10000, XD-SF4800に,Wordfinder はカシオXD-GF10000, XD-SF4800, XD-GF9800,SII のSR-G9000に収録されています。
どちらがいいかは,微妙。Activatorは第2版が出ていますので,
Activator > Wordfinder
としておきます。なお,Activator は,書籍版の LDOCE を買うと付属のCDに同梱されていて,LDOCEのソフトから連携して検索できます。
和英辞典
もともと和英辞典はそれだけではあまり使えません。英和・英英を併用して使うのがベストです。(和英の使い方については,『辞書・電子辞書の使い方 (3) 和英辞典』を参考にしてください)
したがって,あくまでもわたしの考えでは,専門家でなければ,中型辞典以上のサイズならどの和英でも大差ない,と思います。
研究社 和英大辞典 > 小学館 プログレッシブ または グランドコンサイス和英 または ジーニアス和英
専門英語辞書
高校生には不要,としておきましょう。教師や専門家には不可欠です。タイプとしては,シソーラス(類語辞典),熟語・イディオム辞典,活用辞典(語法・連語)などです。専門辞書というわけではありませんが,英和大辞典もここに入れておきます。
● 大型英和辞典 = 日本で現在発売されている大辞典といえば,
- 研究社 大英和辞典
- 小学館 ランダムハウス英和大辞典
- 研究社 リーダーズ英和辞典(+ リーダーズ・プラス)
の3つで,各社の電子辞書に収録されています。このうち「リーダーズ」はサイズからいくと「大辞典」ではないのですが,語数的には十分「大辞典」に入れてあげていいと思います。翻訳者で愛用する人が多かったですね。
「学習英和」にあげた
- 大修館 ジーニアス大英和辞典
も,本来ここに分類されるべきものです。これらのうちのどれかがあればいいでしょう。特に優劣はつけないでおきます(大辞典は課されるハードルが高いわりに改訂ペースが遅く,いずれ不満は出ます)。
「ジーニアス大英和」を含めた上の4つすべてを搭載しているのは,SII のSR-G10001 と SR-G10000 だけ。3つだと,カシオ XD-GF10000, SIIの SR-G9000(これは「ジーニアス」なし)。2つなら,カシオ XD-GF9800,シャープPW-LT320,SII のSR-G9001, SR-S9001, SR-S9000 (これらはどれも「ジーニアス」+「リーダーズ」)。
● シソーラス = 類語辞典を必要とするのは,頻繁に英語を書く必要がある人です。有名な Roget’s Thesaurus はどこにも収録されていません。収録されているうちでは, Oxford American Writer’s Thesaurus (オックスフォード米語類語辞典)と Oxford Thesaurus of English (オックスフォード類語辞典)がダントツでしょう。わたしは,前者(の書籍版)が気に入っています。前者はSII のSR-G9000, SR-S9001, SR-S9000に,後者はカシオXD-GF10000, XD-GF9800, シャープPW-LT320, SIIのSR-G10001, SR-G10000 に搭載されています。
● 活用辞典 = 英語を書くための辞書。上にあげた,Oxford Wordfinder や Longman Activator もこの分類に入れてもいいでしょう。それ以外では,何と言っても
- 研究社 英和活用大辞典
がお奨めです。コロケーション(連語)辞典と言ってもいいもので,たとえば「いい結果を収めた」と書きたい時に,「いい」にはgood以外で何が使えるか,「収めた」はどういう動詞がいいかなどを result を引くことによって検索できます。似たような辞典は
- Oxford Collocations dictionary for students of English (オックスフォード連語辞典)
ですが,使い勝手とボリュームから言って, 研究社英和活用 > オックスフォード連語 の順でしょう。
百科事典
Wikipedia 登場以降,影の薄い百科事典ですが,信頼性から言ってもファーストレファレンスとして百科事典はまだまだ必要です。電子辞書に搭載されているのは,ブリタニカ国際大百科事典とマイペディアの2種類。グレードは
ブリタニカ国際 > マイペディア
でしょう。両方搭載しているものも多いのですが,ブリタニカがあれば十分だと思います。平凡社の百科事典も載せて欲しいのですが。
英英百科である Britannica Concise Encyclopedia を収録しているのは, SII の SR-G10001とSR-G10000 です。
国語事典
グレードは,
精選版日本国語大辞典(収録語数30万) > 広辞苑(24万) or 大辞泉(23万) or 大辞林(25万) > 新明解(7万6千) or 明鏡(7万)
といったところ。精選版日本国語大辞典は,日本最大の国語事典である「日本国語大辞典」(書籍のみ。収録語数50万)の縮約バージョンで,書籍なら3巻本です。これを必要とする人はあまり多くはないでしょう(わたしも欲しいですが,あってもたいして使わないかも)。広辞苑クラスの3つのうちのどれかはあった方がいいでしょう。精選版日本国語大辞典は,カシオXD-GF10000, XD-GF6900 だけ。広辞苑クラス3冊のどれかは,取り上げた電子辞書すべてに搭載されています。
古語辞典
ふつう搭載されているのは,旺文社 全訳古語辞典 です。ほかのも参入して欲しいですね。
漢和辞典
漢語林 は親字14,353字,熟語数約42,000語,漢字源 は親字13,255字/熟語約48,000語ですから,ほぼ同等です。書籍の漢和辞典はこれ以上のものがいくつもありますが,文字コードの関係で,電子化はなかなかむずかしいのかもしれません。
日本語類語辞典
日本語のシソーラスですが,まだまだあまり使われていないようです。わたしは,ありきたりのことばしか思い浮かばない時に時々使っていますが,このジャンルの辞書はまだ未完成なのかもしれません。
日本語大シソーラス(収録語数 1000カテゴリー / 32万項目) > 角川 類語新辞典(5万項目) > 小学館 使い方の分かる類語例解(6000カテゴリー / 2万5000項目)
スペックの比較
pdf による「各機種のスペック比較」 をご覧ください。
このサイトのおすすめ:最終選考候補
次のものが私が勝手に選んだ予選通過機種です。細かいスペックについては下の機種名をクリックすれば各社のそのページに飛びます。注目すべき点については, 上の各機種のスペック一覧にまとめておきました。これらは今現在の各社ホームページに載っている電子辞書です。以前の機種で市場にまだ在庫があるものもあるかもしれませんが,各社が今推している機種に絞りました。
「おすすめ」選定の基準
- 学習英和辞典は 「ジーニアス」第4版か,「ジーニアス大英和」
- 和英辞典は あればよい
- 学習英英辞典は OALD か LDCE か COBUILD
- 手書き認識の有無は無視
- 学習用としては,古語辞典と日本史・世界史辞典があること(私大理系用には,物・化・生物・数学公式などの事典・用語集があればいいが,文系と比べると必要度はやや下がる)
- 英語専門用ならば,英和活用大辞典+リーダーズかランダムハウスか研究社大英和
この基準をクリアするのは以下の電子辞書です。なかでも特にお奨めなのは, がついています。どういうユーザーにお奨めなのかは最後をご覧ください。
シャープの電子辞書
他の2社に比べると,コンテンツには特色がないのが特色。シャープにはやや辛口になってしまいますが,それはこのページの目的が,「高校生や英語学習者,英語専門家が使える電子辞書を選定する」ということだからです。シャープはむしろ「ふつうの人がふつうに使う電子辞書」を目指しているように思います。その視点で選ぶなら,優れた選択肢のひとつです。
《一般向け》 ワンセグ搭載は,これだけ。フォトスタンドにもなる(電池は大丈夫?)。当然,カラー対応のコンテンツならカラーで見られる。(2007年製)
全体のコンテンツ数は,他より少なめ(総コンテンツ数40)。
《一般向け》 TC930よりも下位機種だが,ワンセグがないせいか,コンテンツ数はこちらの方が多い(100)。2009年の新製品。専門コンテンツは不足だが,一般向けなら十分。
《高校生向け推奨》 シャープの高校生向けならこれ。ライバルは,カシオの XD-ST4100H。2008年1月製。
《英語専門家向け推奨》 シャープの英語重点機種。大学生なら,このあたりでOK。小型ながら中国語辞典もつく。
カシオの電子辞書
ここに挙げたのは,すべて2009年発表のタイプ。3社の中ではいちばん多くの新製品を投入しています。わたし自身は一貫してカシオを愛用しているので,点数が甘くなりがちかも。
《英語専門家向け推奨》 カシオの中では「総合型―英語・国語系」に分類されている。 総合型の最上位機種で,カシオは「フラグシップ」(旗艦)と呼んでいる。 英語専門家も使えるコンテンツがそろっている。Word Finder と Activator,新和英大辞典,活用辞典,ランダムハウス,リーダーズなど。日本国語大辞典は魅力的。万能なだけに高価。
《一般向け》 カシオの中では「総合型―国語・生活系」に分類されている。 英語のプロにはコンテンツ不足だが,最低必要なものはそろっている。
XD-SF6200 《一般向け》 カシオの中では「総合型―オールジャンル」に分類されている。比較的低価格。一般の人ならこれで十分。
XD-SF4800 《高校生向け推奨》 学習型の最上位機種。 山川用語集がついているのが便利かも。
《中学生向け推奨》 中学生ならこれかな。高校受験用コンテンツを含む。「そんなのいらない」という進んだ中学生なら,上か下を選ぶべき。
《高校生向け推奨》 カシオは「高校生向けエントリー機種」と呼んでいるが,「山川用語集」が不要なら,SF-4800よりこっちで十分なのでは。
《英語専門家向け推奨》 生活用コンテンツはないに等しい。その分英語関連が充実。 わたしが今使っている電子辞書の後継(の後継)機種がこれ。以前と比べてWordfinderが入ったのはうれしいが,日本語類語辞典がグレード・ダウンしたのはどうなんでしょう。
SII の電子辞書
SII の特徴は,英語だけ,または英語 + ビジネスに特化していること。色気を持たない潔さがいい。100種類のコンテンツを入れても使わないものが多いわけだし,ネットでたいていの情報は手に入るし,そういう情報は電子辞書として携帯している必要はあまりない。
《英語専門家向け推奨》 SIIの最上位機種。2009年3月新発売。生活用コンテンツなし,はSIIに共通。データをパソコンにコピペ可能。2009年3月の新製品。
《英語専門家向け推奨》 コンテンツのラインナップはG-10001に似ている。G10001からパソコン連携機能とコーパスをはずし,COBUILDを古いものに取っ替えたもの,と考えればいい。2006年製だから,安くなっていればお買い得か?
《英語専門型》 英語が必須のビジネスマンをターゲットにしている。データをパソコンにコピペ可能。SIIの中では英語コンテンツは少なめ。2008年11月製。
《英語専門家向け推奨》 今回取り上げた電子辞書のうちで,これだけは唯一,「ジーニアス」系がないことに注意。 英文ライターには役に立つコンテンツがそろっている。2008年3月製。
《英語専門家向け推奨》 2008年11月製。S-9000との違いは,メインコンテンツに関する限りほとんどない。こちらの方では,資格試験・英検のためのコンテンツが追加されている。
《英語専門家向け推奨》 2008年3月製。S-9001の追加コンテンツに食指が動かなければこっち。
独断的結論 当サイトの推奨機種
もしわたしが,「高校生にアドバイスするなら」「自分用に買うなら」「特に用途はないが1台欲しいという親戚に勧めるなら」というような場合を想定して,次のようなものを選びました。
高校生なら
ライバルはカシオ XD-ST4100H,シャープPW-GT570。山川用語集にこだわれば上,こだわらなければ下のどちらか。
英語専門家(英語を重視する大学生を含む)なら
カシオ XD-GF10000 か, カシオ XD-GF9800
ライバルは シャープ PW-LT320。
このカテゴリーに入る人は,専門的必要や辞書に関する主義をお持ちのはずなので,「コンテンツリスト」等を参考にしてください。
中学生なら
ライバルは高校生向け機種。
それ以外の一般の方なら
- ワンセグが必要なら シャープ PW-TC930
- 安いのがベストなら カシオ XD-SF6200
このページの記述等にお気づきの点がございましたら,ご連絡ください。
作成日 2009.03.21