A woman must have money and a room of her own if she is to write fiction. (Virginia Woolf)

「女性が小説を書くには,金と自分の部屋を持っていなければならない。」 (バージニア・ウルフ)

 


 

若きVirginia

若きVirginia

Virginia Woolf は,1882年に生まれ,20世紀初頭に活躍したイギリスの女性小説家。作品は,Mrs Dalloway (「ダロウェイ夫人」), To the Lighthouse (「灯台へ」), The Waves (「波」)など。1941年,入水自殺。

 

  • if 節の中の be to V(原形) は,「もしVするつもりなら,Vするためには」など目的や意図を示す。

 

 


 

エッセイ集 "A Room of One’s Own" の一節。かなり有名な文句です。

女性に文学ができるのかを考えてもなかなか答えは出ない,とりあえず言える an opinion upon one minor point が,上記の言葉だというわけです。

 

女性がひとりで暮らすことが異常とされた時代の話ですから,自分の部屋を持つ女性はかなり限られていたわけです。明日食うに困らないだけの金と雑音を遮断できる部屋が,小説を書く,あるいは精神的に自立して生きるための最低の要件であるのは,今でも言えることだと思います。特に結婚後の女性たちが置かれている状況には,それほどの変化はないかもしれません。

 

むろんそれだけで文学が生まれるのであれば,最低条件をクリアした女性たちがあふれている21世紀の先進国は芸術の黄金時代を迎えているはずでしょう。

ささやかな日常の幸せを手にしてしまうと,何も書くことがなくなる,そんな内容のことをチェーホフが言っていたと記憶します。

精神の豊かさは,過剰から生まれるのか欠如から生まれるのか。人によって違うというだけなのか。あるいは,欠如は隠れた導管を通じて過剰とつながっているのか。

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