「明日まで延ばせることを今日やるな」
Punch はイギリスのユーモア・風刺をメインにした雑誌。19世紀に発刊され,比較的最近まで出ていたらしい。上の言葉は1849年に初出。もちろん,Never put off till tomorrow what may be done today. ( Don’t put off till tomorrow what you can do today. の形もよく見る) 「今日できることを明日まで延ばすな」という諺のもじりです。
ついでに,この元祖の方の諺と類似した諺を列挙すると,
- Make hay while the sun shines.
日が照っているうちに干し草を干せ。(チャンスは逃すな) - Gather ye rosebuds while ye may.
摘める時につぼみを摘め。(若いうちに楽しんでおけ。命短し,恋せよ乙女? ye は古語で「汝ら」という呼びかけ) - Tomorrow never comes.
明日という日は来ない。 - What may be done at any time is done at no time.
いつでもできることはいつでもできない。 - Procrastination is the thief of time.
ぐずぐずは時間泥棒。
どれもわたしのようなダラダラ人間には耳が痛い言葉で,だから Punch のことばの方が安心できるというか,既に実行済み,いつもやってるよというか…。その結果が今のていたらくなわけですが。
「明日まで延ばせること」はたいていの場合あさってまで延ばせるわけで,ということはいつまでも何もしないままということになります。逆に「今日できる」(でも今日やらなくてもよい)ことを今日やってしまうと,やることはどんどん膨れ上がってホントはやらなくてもいいことまで引き受けてしまうことになりかねません。達成感は大きいのだろうけど,達成感を得るためだけに何かを達成するというのもねえ。「今がんばって歳取ってから楽に暮らすという生き方をするくらいなら,なぜ今楽に暮らさないの?」と言ったという南海の小島の住人をわたしは支持します。
以上,怠け者による怠惰の合理化でした。