「希望をともなわない恐怖はありえず,恐怖をともなわない希望もありえない。」(スピノザ 『エチカ』 1677)
省略されている部分を補えば,Fear cannot be without hope, nor can hope be without fear. となります。nor の後ろにS+Vが来る時は倒置になりますよね。
スピノザは17世紀オランダの哲学者,晩年の「エチカ」(Ethics)が代表作です。大学生の頃読んだ記憶がありますが,読んだという記憶であって,中身はまったく記憶がありません(歳のせいではないっ,と思う)。
希望が単なる妄想ではなく,実現に向けたほんとうの希望であるためには,不安や恐怖を乗り越えていかなければならないということでしょう。一歩踏み出すためにとてつもない勇気を必要とする場合があります。不安にくじけてしまう時もあるでしょう(僕もいっぱいくじけましたが)。でも目をつぶってでも踏み出さなければならない時もあります。恐怖に目を閉じることを勇気と呼べるのか,それはわかりませんが,その先に待っているものを信じたい,信じなければしょうがない,そうやって歩いていくものなのかもしれません。その先に何が待っているのか。That is another story.