英語の本の値段は書店によってかなりばらつきがある。
日本の書籍は再販価格維持制度のため,ほとんどの本で定価が決まっていて,日本中どこで買っても同じ値段だ。アメリカでは書籍は肉や野菜と同じで,割り引きもできる。もともと価格が流動的なのだ。日本での輸入のしくみがどうなっているのかわからないが(「洋販」が破綻してしまったし),当然為替の変動の影響を受ける。一般の店頭の書店では,為替レートをリアルタイムで洋書の価格にリンクさせることはない。タイム・ラグもあるし,レートも店が適当に決めているようだ。
ネット書店もいろいろあるわけだし,ネットの古本屋も多い。日本でもアメリカでもそうだ。したがって,そういうのを探せばきりないのだけれど,品揃えとか信頼性とかアクセスのしやすさ,そして説明のしやすさから話をアマゾンに絞っておく。
アマゾンで洋書を買う場合,次の4つのルートが考えられる。
- 日本のアマゾンで,定価で買う
- 日本のアマゾンで,「中古商品」を買う
- アメリカのアマゾンで,new を買う
- アメリカのアマゾンで,used を買う
ほんとはこれに,さらにイギリスとカナダのアマゾンを使うという手もある。その他の書店でも同じ理屈なのだが,話を簡単にしておく。
この4つで価格の比較をして,いちばんリーズナブルなものを選ぶ分けなのだが,注意事項としては,
- ペーパーバックとハードカバーを混同しないこと
- 同じ本でも,特に大学の教科書・専門書などは版が頻繁に変わる場合があるので注意
- 当然,海外から注文すると,日本よりも高い送料がつく
- 米アマゾンの古本屋の場合は,日本に配送してくれるかをチェックしなくてはならない。Shipping の項目に"International shipping available." とあればOK。そうでないと個別に調べるなり,交渉するなりしなければならなくてめんどう。
- 古書の場合は,質的にどの程度かは最終的には手に取るまでわからない
日本のアマゾンにある,古書店に対する評価を見る限りでは,日本の古書店に対するよりも,海外の古書店に対する方が評価が辛いようだ。僕は全然気にならないのだが,質が気にする人なら新刊の方がいいだろう。
海外からの送料のしくみがわかりにくい。1冊の小さな本でも十数ドルとられることもあれば,けっこう重い本なのに7ドル程度で済むこともある。まあ,$ 6.x あたりが下限のようだ。
さて,どれが一番安いのか。
これは送料がモノによってかなり違うので一概には言えない。
ベストセラー・日本でも手に入りやすいペーパーバックの場合,
- 新刊の値段は,日米とも対して変わらないことが多い
- 古本だと,特にアメリカでは激安の場合があるが,もとの値段が安ければ,送料を考えるとアメリカで買うメリットは少ない
専門書の場合は,日米差がないこともあるのだが,大きな差がつくこともある。
僕が今買おうかなと思っている本を例に挙げると,
アマゾン.jp の新刊で,約16000円 中古だと逆に上がって 24000円
アメリカのアマゾンなら, $43.55 ,古本の最低価格は $37.40
となっている。新刊どうしでも4倍程度の差がある。これほどの差がつくことはそれほど多くはないが,探してみる価値はある。
大学の教科書のような,卒業シーズンに大量の古本が出やすい本だとかなり安くなる傾向があるようだ。そういう本は,書き込みなどが多いのだが,安いからまあいいや,と僕は思っている。今まで買ったものの中に,アメリカの古書店なのになぜか書き込みが日本語のものが複数冊あった。日本人留学生諸君,けっこういい本だよ。日本に持って帰りなよ。