この「英語学習情報」は,英語の学習に使えるリソースの紹介をおこなうシリーズです。今のところ不定期で気が向いたときに。
自分で利用していたり,おもしろいと思ったものがどうしても多くなります。傾向が偏るかもしれませんね。つまり,人文系のネタが多くなりそうです。ポピュラー・サイエンスならアンテナに引っかかりますが,ビジネス関連なんかは引っかからなさそう。
中・上級向けが多くなるかもしれません。というか,ネイティブ向けのものはすべて上級対象になりますから絶対量が多いですしね。初級向けのものも引っかかれば紹介していきたいですが。
今回は,最近はまっているネット配信のトークショー Philosophy Talk です。
名前のとおり,各回ごとの哲学についてのテーマ話題にMC のふたり(John Perry / Ken Taylor )にゲストひとりを加えて,討論をするという50分くらいの番組です。2004年1月スタート。すでに百数十回を数え,現在でも続いています。サンフランシスコのFMラジオ番組ですが,全米各地のラジオ局に流されているようです。それがネットで,アーカイブも含めて聞くことができるわけです。MC のふたりはスタンフォード大学の哲学教師で,この番組もスタンフォードのバックアップがあるようです。少し前までは iTunes U のスタンフォードのページにもこの番組が入っていたのですが,今はありません。直接この番組のサイトへ行ってください。
内容は,ラジオ番組ということもあって,専門的に深~い議論をしているわけではありません。テーマも「カント」だとか「ヴィトゲンシュタイン」とかを取り上げることもあれば,政治・時事問題がらみの時もあれば,「友情」だの「謝罪」だのとりつきやすそうな話題のこともあります。といっても予備知識が全くないと苦しいでしょう。Wikipedia かなんかで予習しておいた方がいいかもしれません。サイト上には参考文献・参考サイトのリストも出ています(最近なくなっていますが)。
MC 二人の英語は聞き取りやすいですし,大学教授とは思えぬなめらかで楽しい語り口です。リスニングのレベルも内容のわりには高度すぎないでしょう。
ゲスト陣がけっこう豪華です。わたしでも名前を知っている人は,
- ダニエル・デネット (Daniel Dennet) — Intelligent Design
- マーサ・ヌスバウム (Martha Nussbaum) — Friendship, The Indispensible Emotions, Justice Across Boundaries
- ローレンス・レッシグ (Lawrence Lessig) — Who Owns Ideas?
- ジョン・サール (John Searle) — The Mystery of Mind
- ピーター・シンガー (Peter Singer) — Global Poverty and International Aid
- マーヴィン・ミンスキー (Marvin Minsky) — Artificial Intelligence
- ダグラス・ホフスタッター (Douglas Hofstadter) — Persons, Selves, Souls, and Loops
- ジョージ・レイコフ (George Lakoff) — Politics and Cognitive Science
なんてところです。
残念なのは,番組のダウンロードが有料だということでしょうか。年間で70ドル,月ごとなら10ドル程度です。でも,ストリーミングなら無料です。わたしはストリーミングを流しながら,録音ソフトで録音したりしています。昔のラジオのエア・チェックと同じですね。「午後のこ~だ」というソフトを使っていますが,きっといろいろあるでしょう。