オーディオブックを紹介するシリーズ第2弾。
オーディオブックを「聴く」ということは,何も「耳だけで理解しなければならない」という意味ではありません。本を読みながら聴く(パラレル・リーディング),読んでから聴く,聴いてから読む,いろいろなパターンが考えられます。何回も読んで,最終的には耳だけで理解するというのが理想といえば理想ですが,いきなり「耳だけで」というのは難しいかもしれません。
オーディオブックとは,本来,ネイティブの,「本読むのカッタルイから,通勤中とか車の中で耳で聞きたい」という需要に応えるものです(視覚障害者向けという考えもあった)。日本人でもこのレベルに達していれば,前回紹介したサイトから直接購入すればいいわけですが,「英語学習」という観点からは難しすぎるものが多いのが実情です。したがって,オーディオブックの選び方としては次の2つが考えられます。
- ノンネイティブ向けの本で,音声付きのものを探す
- ネイティブ向けのものの中からやさしいものを探す
順に考えていきます。
1. ノンネイティブ向けの本で,音声付きのものを探す
これは,初心者から利用可能です。いちばん取り組みやすい,そして入手しやすいのは,いわゆるグレーディッド・ブック(graded books)です。レベル別になっていて(ふつう使用語彙レベル別),入門,level 1 ~ level 6 くらいに分かれています。学習用にはうってつけの本ですが,この中にCD付きのものがあります(すべてではない)。一般の大型書店で見つけやすいのは,
- Penguin Readers シリーズ
- Oxford Bookworms シリーズ
ですが,これ以外のシリーズもあります。タイトル数は多いのですが,日本のアマゾンなどでは案外少なかったりします。
日本支社は,
Longman(Penguin)日本支社 ― Penguin 本社
CD付きであることを確認してください。
これらはほんの一例。
2. ネイティブ向けのものの中からやさしいものを探す
あまりやさしいものはありません。前回も書いたように,少年少女向けといえども,やさしいとはいいにくいです。
おすすめは,シドニー・シェルダン ( Sidney Sheldon ) かな。はっきり言って,小説家としては n 流 ( n > 1 )です。「ありえねー」っていう話も多いし(たとえば The Doomsday Conspiracy ),途中で最後のどんでん返しがわかっちゃう(たとえば Nothing Lasts Forever)のもあります。でもなぜか人気作家なんですね。なんといっても,情景だの人物だのの描写がほとんどなく,事件と会話と表面的心理描写だけで話は進んでいき,サスペンスと読者サービス場面だけはまあうまい方,というタイプの小説で,だから「聴く」にはちょうどいいと思います。
iTunes Store
The Sky Is Falling (Unabridged)
Nothing Lasts Forever (Unabridged)
The Doomsday Conspiracy (Unabridged)
Amazon (CD)