昨日のつづきです。
即席でそれなりの答案を作る方法について『パターンで書く自由英作文 【合格最低ラインを狙う】』をまとめましたが,そこで触れたパターンで使う小道具がこれです。ばらばらの文の羅列を,まとまった論理的構築物にするためには,どうしててもこうした小道具が不可欠です。
「第一に・・・,第二に・・・」 ― ポイントを列挙する
- First, ・・・・. Second, ・・・・. 「・・・・」の部分は,いくつもの文からなる長い論述でもいいし,単語だけの短い列挙でもOK。
- Firstly, ・・・・. Secondly, ・・・・. 上と同じだけれど,こちらの方が硬い表現だと言われます。
序数(first, second)を使うと,最初からいくつのポイントを述べるかが決まっているようで,頭良さそうだけど少し堅苦しいと感じる場合は,次のように「まず」→「その上さらに」という展開も考えられます。
- To begin with, ・・・. / First of all, ・・・. / For a start, ・・・. 「まず第一に」
- Moreover, ・・・. / Furthermore, ・・・. 「その上」「さらに」 これが「第二に」の代わりに使えます。これらと同じ意味を持つものに, besides / in addition がありますが,この2つは「第二に」というよりは「おまけとして言っておくと」というようなやや軽い響きがあります。(さらに弱い「どうでもいいけどついでに言っておくと」という感じなのが for that matter)
上を組み合わせて,To begin with, ・・・ → Moreover, ・・・ という流れになります。
もう少し自由にまとめたければ,There is one problem, which ・・・. And another problem is that ・・・. のような,one … another … を組み合わせて使う方法もあります。
「確かに~だが」 ― 譲歩できるところまで譲歩し,その分だけ後の主張を強調する
- It is true that ・・, but ~ 「なるほど・・・だが,~」
- ・・・ may ・・・, but ~ 「・・・かもしれないが,~」
- ・・・ certainly ・・・, but ~ 「 確かに・・・だが,~」
- ・・・ of course ・・・, but ~ 「 もちろん・・・だが,~」
- ・・・ indeed ・・・, but ~ 「 確かに・・・だが,~」
- ・・・ no doubt ・・・, but ~ 「 確かに・・・だが,~」
これらにおいて,前半は but 以下を言うための布石にすぎません。「彼らの言ってることも・・・だし,わかるよ。わかるけど,やっぱり~」という感じ。当然,重点は後半にあります。but を使う代わりに,however を使ったり,前半の最初に Though を使う方法もあります。
「しかしながら」 ― 逆接語はその後が強くなる
- But 「しかし」
- Yet 「しかしながら、それでも」(文頭)
- Still 「やはり」(文頭)
- however 「しかしながら」
- nevertheless 「それにもかかわらず」
but, yet, still の3つは等位接続詞(yet は and yet,still はbut still という副詞的用法も )で,後には S + V を伴います。それに対し下の3つは副詞(句)なので,文中での位置は比較的自由です。
〇 I made a serious mistake, but she knows about it.
☓ I made a serious mistake, however, she knows about it.
〇 I made a serious mistake. However, she knows about it.
〇 I made a serious mistake. She, however, knows about it.
「その一方,それに対し」 ― 対比・対照のパターン
- on the other hand 「他方で,その一方」
- in contrast, 「それとは対照的に」
- ・・・, while ~ 「・・・,その一方~」
- ・・・, whereas ~ 「・・・,その一方~」
上の二つは副詞句。ピリオドで切れた前の文とこれ以下の文を対比します。下の二つは接続詞なので, S + V ・・・, while S + V ~ のように文と文をカンマ+ while でつなぎます。
「たとえば」 ― 例を挙げる
- Take ~ for example. 「~を例に挙げて(考えて)みよう」
- for instance 「例えば」
- for example 「例えば」
- ・・・, say, ~ 「・・・,例えば,~」
- such as … 「・・・のような」
- to name just a few. 「ほんの二,三挙げると」
Take ~ for example[as an example]. は「~の例を挙げて論じてみよう」という感じなので,そのあとでその例についてじっくり書かなければなりません。
say や such as は,その後にふつう名詞が来ます。
to name just a few は, Modern cities have a lot of major problems; about crimes, overpopulation, many kinds of pollution, to name just a few. のように使います。