= 存在文 There is ~ その1 =
え~っ,タイトルに意味はありません。
中学校で習う There is ~. There are ~. 「~がある」という表現で使われる there は文法上は副詞で,もともとは「そこに」という意味ですがこの構文では「そこに」という意味はありません...なんてことは知ってますよね。
there や here は副詞なので,主語や目的語にはなれないはずです。たとえば,「ここは東京です」という文は,Here is Tokyo. ではありません。この文は主語が here ではなくて,Tokyo で,たとえば地図を指さした場合の,「ここに東京があります」という意味になります。「ここは東京です」は This is Tokyo. です。ただし, He left there. とか,from there などは使えます。これらは名詞化しているとみなすこともできます。また,「ここが好きです。」というのは,なぜか it を入れて,I like it here. と言います。
さて,There is ~. に話を戻しましょう。
there は主語ではないのですが,しばしば疑似的に主語のような働きをします。特に,there is を不定詞・分詞・動名詞構文に変えるとそれがはっきりします。
- I want there to be a copier in the library. 図書館にはコピー機があってほしい。(← There is a copier in the library を私は望む)
cf. I want him to come. 彼に来てもらいたい。彼が来ることを望む。 - It was not necessary for there to be two. 二つある必要はなかった。(← There were two は必要ない)
cf. It was not necessary for him to come. 彼が来る必要はなかった。 - There being no bus service, we had to take a taxi. バスの便がなかったので,タクシーに乗らなければならなかった。(← There are no bus service だったので,)
cf. It being rainy, we had to take a taxi. 雨が降っていたので,... - I don’t mind there being no flowers in the room. 部屋に花がなくてもかまわない (← There are no flowers in the room を私は気にしない)
cf. I don’t mind him coming. 彼が来なくてもかまわない。
1, 2 が不定詞,3 が分詞,4 が動名詞の例です。それぞれの cf. (参照)の文と比べてわかるとおり,本来 there の位置には名詞相当語句が来てbe の主語になっているのがふつうのパターン。でもthere は副詞だから主語になれないはずなのに,主語と同じように使われています。もちろんこの場合「そこ」という場所を指す意味はありません。
今回は短いけどここまで。There is の話はまだつづきます。