最後に,実際の答案例を作ってみます。
問題を確認すると(問題文は英文ですが,ここは日本語で),
『コミュニケーションの方法はこの数年で大きく変化しました。新しい技術のおかげで人間関係がより良いものになったと論じる人もいる一方で,貧弱になったという人もいます。この点についてあなたはどのように考えますか。
上の立場のうちひとつを擁護する1パラグラフの文章を,自分の答となる意見を支える適切な理由を最低1つあげた上で,書きなさい。』
でした。
そして前回決めた方針としては,立場は「良いものになった」を選び,メモとしては次のようになりました。
- 近年のコミュニケーション技術の発展は,人間関係をより良いものにしている。
- ポイント1 個人対個人の直接的なコミュニケーション
- 例・理由 携帯電話による時間場所に縛られない連絡・会話
- ポイント2 コミュニケーションの方法が多様化して,人とのつきあい方が多様化
- 例・理由 メールによって,直接では言いにくいことを気軽に言える
- 携帯,ネットなどの技術によって,今後もよりよい関係を作ることが期待できる
1 → 2 → たとえば, 3 → その上, 4 →たとえば, 5 → 結局, 6
以下は一答案例です。
The recent development of technologies has greatly improved our personal relationships. First of all, the spread of new technologies has made direct, person-to-person communication possible to an unprecedented degree. With cellular phones, for example, you can reach anyone anywhere at any time. The barriers of time and space that kept us from first-hand communication have been mostly broken down. Moreover, new technologies brought about more varied ways of communication, which in turn resulted in more diverse social relations. You might tell other people what you can’t say in other situations, by using, say, e-mail via computers or cell phones. In conclusion, the advanced technologies have enabled us to build up better and deeper personal relations with each other.
試験場でどうするかの戦略策定はもう少し後でもいいのですが,今の段階でも少し頭に置いておくことも必要です。当然,大学や問題の難易度で変わってきます。
早稲田法学部の英語の試験時間はトータルで90分。かなり長い長文が2題と,短い文法系問題が大問で2題,さらに短い和文英訳(部分)が3題とこの自由英作文という内訳です。この問題で使える時間は,長文にどのくらいかかるかによって変わりますが,長く見積もっても25分前後になるでしょう。長文に手間取ると10分ぐらいになってしまうかもしれません。どちらの場合でも,メモの作成に時間の 40% ~ 50% は使うべきでしょう。5分ではかなり決め打ちしたなぐり書きになりますが,まあしかたないでしょうね。