自由英作文問題への対策1

最近は自由英作文問題を大学入試に取り入れる大学がむやみに増えてきた。「×××について,100語以内で自分の意見を述べよ」というタイプの問題で,国公立に多いが,しだいも取り入れるところが増えてきた。

早稲田は法と国際教養,慶應は経済,医,看護医療,青山は法,国際政経,文,その他では中央,明学,関学や立命の一部などが2008年で実施したところで,出題も「高校時代にいちばん印象に残った出来事・本」といった個人的感想文もあれば,データを読ませての分析,今の社会で問題になっていること(携帯電話のマナー,教育問題,死刑の賛否など)に関する意見を書かせるものなどさまざまである。

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高校では,先生によって自由英作を積極的に取り上げる先生とそうでもない先生にはっきり分かれるようだ。教師の個性や能力の問題もあるが,それよりも自分の生徒が対応できるかどうかの問題が大きいと思う。

自由英作文問題の採点は,1文1文の英語としての文法的完成度と,全体の論理的・内容的な一貫性・合理性・可読性などを基準にして行われる。つまり,文法的に誤りはないかという点と,内容的にうまくまとまっているかという点の二点だ。そして前者である一定水準をクリアしていないと,後者がどんなにすばらしくても得点は低い,というのは別に公表された採点基準ではないが,誰でも容易に想像がつくだろう。正確な英語が書ける生徒なら,言語運用能力はかなりあると見ていいから,論理的構成や英語独特の論理展開に関する訓練をたいして積まなくても,そこそこの英文は書けるはずだ。

だから,1文1文を正確に書けるようになることが,自由英作対策でも絶対に必要なことで,だから結局ふつうの英作文をできるようになることが前提で,勉強の重点もまずそっちに置く方が合理的である(自由英作をあまりやらない学校の先生もそう考えてのことだと思う)。

まずは,ふつうの英作文能力を高める,これが第一歩になる。ふつうの英作文というのは,もちろん昔ながらの日本語を英語に直す和文英訳のことで,この能力を見ればその生徒の読解力も推定可能なくらい,英語力全体を反映する能力である。大ざっぱに言えば,英作文力が上がれば,英語力全体も高まると言っていい。

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