第1問
A 発音問題 昨年と同じ。やさしい。
B アクセントの型 見た目は新傾向だが,特に対策は必要なし。やさしい。
C 文強勢 昨年と同じ。やさしい。
第2問
A 文法語法4択問題 難易度も,形式も例年どうり。
【ピックアップ】
問3 The catalog [ 11 ] that this year’s model is slightly cheaper than last year’s.
(1) says (2) speaks (3) talks (4) tells 正解(1)
★ that節を目的語に取れるのは,say と tell。このうちtellはふつう,tells us that … のように人の目的語も必要。(1)~(4)とも,人間以外の主語が可能。
問5 I think he is a very intelligent person, [ 13 ] many people don’t agree with me.
(1) but (2) for (3) which (4) who 正解(1)
★ 関係詞の非制限用法を知らない中学生のほうがひっかからないで正解が出たでしょう。関係代名詞の後ろには必ず不完全文(SやOなどが欠けている文)が来るはず。ここはmany people以下が完全文なので(3)(4)はダメ。
問7 The price on the tag [ 15 ] the 5% consumption tax.
(1) charges (2) consists (3) describes (4) includes 正解(4)
★ 「値札の価格には5%の消費税が含まれています。」 結局,動詞の意味の問題。あわてなければできると思いますが…. include「含む」は受身で訳すとうまくいきます。「SにはOが含まれる」
B 会話問題 例年どうり。
C 整序英作文 例年どうり。
【ピックアップ】
問3 Do you remember where that bicycle shop was? Something ( )[ 26 ]( )[ 27 ]( ) I bought at the sale.
(1) gone (2) has (3) the bicycle (4) with (5) wrong 正解(1)-(4)
★ ふつう熟語集に載っているパターンは,Something is wrong with ~ 「~はどこかおかしい」 この be wrong 「おかしい,異常だ」を go wrong にすれば「おかしくなる,異常になる」という変化を表す。
第3問
A 文脈からの語彙の意味推測問題 昨年から始まったが,それほど難しくはない。
★ 文脈から意味を推測するわけなので,周囲の単語が分からないと苦しくなる。問1では,vote for 「~に投票する」 candidate 「候補者」 resolve 「解決する」,問2では,accidentally 「偶然」 permission 「許可」 consequence 「結果」など。
B 意見文の要約した英文を選ぶ 新傾向といえば新傾向だが,難しくはないはず。
★ [31] が少し理解しにくいかも。服装規定に反対している意見であることはわかるだろうが,
(1) 「服装規定では,学生が不快感を与えるような服を着る防止策にはならない」
(2) 「たいていの場合,学生は学校に着て行くのに適切な服を決めることができる」
で,迷うかもしれないが,(1)は書かれておらず,(2)が後半に一致。
C 長文中の文挿入問題 従来はセンター英語中の最難問であったのが,去年からやさしくなり,今年は文の一部の挿入になったのでさらにやさしくなったのでは?ただし,ここでも[ 35 ] の compassionate 「同情的な,情け深い」なんて単語が分からないと苦戦。
第4問
A 表からのデータの読解 昨年並み。
★ [ 36 ]では,operating lifetime 「(機械などの)寿命」が推測できればOK。[ 37 ][ 38 ]は文章中にある。
B 広告文からのデータの読解 昨年並み。ただし,ひっかかりやすい。
★ [ 40 ] は2週間分の授業料+シングル・ルームの宿泊費をきいているが,広告中に書かれている宿泊費は per week 「一週間につき」なので,670+250×2が正解。
[ 41 ] refund 「払い戻し」が分かれば楽。
う~ん,ビミョーに「ややむず単語」が今年は多いような気がする。
第5問
A, B, C センター名物ビジュアル問題 例年は会話文+ビジュアルだったが,今年はビジュアル部分の解説がメイン。難しくはないのだが…..
それにしても入試センター側に文句をつけたいのは,毎年毎年なんでこんなに下手くそな絵なんですか?ということ。特に,このAの犬と猫。犬と猫が同じ大きさで左右に並んで書いてあるから,問われているのが,犬のことなのか猫のことなのか,はたまたこの2匹両方から読み取るべきことなのか迷ってしまう。まあ消去法でやれば正解は出るので,出題ミスとはいえませんが,せめて犬ではなくて,犬の写真を見て興奮する猫とかの設定にすればいいじゃないですか?英語と関係ないところで受験生の頭を悩ませるのはどうかと思います。
第6問
長文読解 おそらく,受験生が今年いちばんびっくりしたのはここでしょう。センター英語の最後には小説文が来るというのが長らくのお約束でしたので,今年のこの論説文(風)問題は意外だったかもしれません。じつは,ギョーカイでは昨年あたりから「センターに論説文復活!」といううわさが流れていました。昨年は見送られ,今年は復活とあいなったわけです。
「復活」といいましたが,初期のセンター(共通一次試験)の頃は,むしろ論説文が主流でした。ただしやや短めの論説文が2~3題という構成です。それが90年代に入ってから,短めの論説1題+長めの小説1題というセットになり,97年頃からビジュアル会話問題が論説文を押しのけて,結果,長文は小説1題という伝統がスタートしたわけです。11年ぶりの改訂となりますが,改悪ではなさそうです。けっこう感動的な文章が多かった小説文がなくなったのはさびしい気もしますが,ひとまずは歓迎しておきます。
★ とはいえ,難関私大の長文に比べればはるかにやさしく,まあ例年どうりといえます
問3 会計業務が, 最初アメリカで個々のデータ入力 –> コスタリカで集計 –> アメリカでデータ分析という手順なので,initial work はアメリカ,completeされるのもアメリカ。
問5 このパラグラフ構造の問題が特徴的で,この傾向は続くでしょう。全体をパラグラフごとに要約すると,
- 就職をひかえる姪のAnnが知ったこと。IT革命による世界の変化。
- IT革命の影響。 ビジネスは地域に依存することなく,距離という概念をなきものにした。
- 新しいビジネスモデルの出現(1) 大企業が海外で業務を行なう別の企業を展開させる
例1 会計業務の海外移転。 - 例2 コールセンターの海外移転。
- 新しいビジネスモデル(2) 事業が,異なる地域にいる個人による小規模事業に分割される
例1 半導体設計 - 例2 メールオーダーカタログの作成
- IT革命を知ったAnnの決意。
まず,第3パラグラフの最初の,… many new business models have appeared. と,第5パラグラフの A second business model …が対応し,ビジネスモデル(1),ビジネスモデル(2)の関係を作っています。また,第3パラグラフまん中のAn early example of this arrangement is …. と第4パラグラフ最初のAnother example of this type of arrangement is … から,これらが例1,例2の関係にあることが分かります。同様に,第5パラグラフの2文めが,For example となっていて例1を示し,第6パラグラフ冒頭のA similar example が例2を示しています。よって,(3)(4)セットと(5)(6)セットがそれぞれまとまっていることになります。