The Teaching Company というのは,アメリカの大学レベルの講義(一部高校レベル)を制作・販売している会社です。
この会社を知ったのは,もう十数年前のことです。たしか,Harper’s だったか Atlantic だったかの雑誌を眺めていてこの会社の広告を見つけて,おもしろそうなのでカタログを取り寄せたのが最初です(もちろんネットではなく手紙で)。それ以降ちょくちょくこの会社の講義を購入してきました。けっこう気に入っています。
当時はカセットテープかビデオテープでの販売でした。1回の授業が30分程度,それが12回とか24回とか,長いものでは60回の講義のセットで売っています。現在では,CD, DVD, ダウンロードなどのメディアが選択できます。
レベルは大学教養レベルくらいでしょう。講義のバラエティは多岐にわたっていて,自然・社会・人文ほぼすべての範囲をカバーし,講義数は2008年末現在で290くらいです。
大学の講義といえば,現在では iTunes U をとおして無料で手に入るわけで,その意味ではこの会社が提供する有料の講義は不利なはずで,先細りするかなとも思っていましたが,逆に講義数は増え続けています。現在の iTunes U は,大学の講義と言っても単発の「公開講座」的なものが多く,1つの学期分の講義をまるごと公開している大学は UCB などまだそう多くはありません。それにライブ授業をそのままアップしているので,聞き取りにくかったり,話がまとまってなかったり…という授業も少なくありません。まあ,そのライブ感が良いとも言えるわけですが。
The Teaching Company が販売している授業は,それ専用の授業をしているので,(内容はその教師次第ですが)聞き取りやすさや授業としての完成度は iTunes U よりも高いと言えるでしょう。
値段,が問題ですが,当然メディアやその講座の授業回数によって変わります。最初にかった頃は1万台の後半なんてのもありましたが,今はずいぶん下がっています。講義によっては(特に理系),DVDの映像が必要になりますが,音声のみでも十分,という講座が多いでしょう。たいていの講座は,DVD > CD > 音声ダウンロード のメディアが用意されています(不等号が値段の順序を表しています)。
たとえば,"Great Ideas of Philosophy, 2nd Edition"という講座は60回講座で,
- DVD が$624.95
- CD が$449.95
- ダウンロードが$299.95
"Dark Matter, Dark Energy: The Dark Side of the Universe"という講座は24回講座で,
- DVD のみで$254.95
"Must History Repeat the Great Conflicts of This Century?"という講座は8回講座で,
- ダウンロード販売のみで$39.95
といった感じです。(値段は2008年12月現在)
おすすめは,セール期間に買うこと。激安(3分の1くらい)になります。しょっちゅうセールやってるようですが。24回(12時間)の講座が3000円強で買えるのは,どう考えてもお得では?(昨日買ったばかりなのですが)