自由英作文問題対策について述べてきました。とりあえずの最終回としては,今後の勉強法について述べておきます。
自由英作文は,入試英語の中でも点数の取りにくい部類に入ります。ですから,あまりオススメはしませんが,自分の英語力が圧倒的にたりない,かつ,英語問題の中での自由英作文の配点が比較的低い場合は,はじめから捨ててしまう,というのもひとつの戦略です。英語の総合力が不十分だと,多くの努力をこの問題につぎ込んだからといって,その分点数が上がるとは限らないからです。文法・長文などほかの分野に時間を使った方がいいかもしれません。
現実的に考えれば,受験生・合格者の大半はそんなに立派な答案を書いているわけではないはずです。高校生レベルの英語力で,自由英作文問題はちょっとハードルが高く,そこそこの文章が書ければほかの受験生に差をつけられることはない,と考えていいでしょう。本格的な対策が必要なのは,私大なら早慶,国公立なら外大・一橋などです。
捨てるわけにはいかない人,むしろここで差をつけたいと思っている人ならば,積極的に点を取りに行く勉強が必要です。その際も(繰り返しになりますが)まずふつうの英作文問題でちゃんとした英文が書けることが前提になります。このレベルでない人は,自由英作対策ではなく,ふつうの英作文対策に全力を注ぐべきです(むずかしい英作文問題をやる必要はありません)。
自由英作文力は,
ふつうの英作文を書ける力 + 論理的な文章を書くためのメモを作れる力
という足し算であり,第1項が70~80%,第2項が20~30%の重みを持っている,くらいに考えてください。ただし,第1項をクリアする力が足りないと,第2項は意味を持ちません。
残された時間がどのくらいあるかで勉強法もちがってきますが,ふつうの英作文力がある人は,日本語でメモを作る練習だけをやってもそれなりに練習になりますが,ない人は英作文だけをやる方がいいでしょう。→ 自由英作文問題への対策2 [ふつうの英作文力]
入試でよく取り上げられる社会問題などには,自分の考えを用意しておくのも必要かもしれません。それがそのまま入試で出るとは限りませんし,その可能性の方が少ないですが,用意する過程で世の中に対する自分のスタンスが見えてきて,他の問題を考える上でも出発点になることがあります。そのためには,その問題について何が議論されているのかを知っておく必要があります。Wikipediaなどで調べておくだけでもかまいません。
議論を進める上での,典型的な英語表現を知っておく必要もありますが,これはまた別の箇所で取り上げる予定です。