本題の「英文法参考書」に触れる前に,文法系の力をどのようにつけていけばいいのかの道筋を少し考えておきたいと思います。文法の勉強の全体の方向性を考えて,その中で参考書をどう使うかを位置づけよう,というわけです。そしてその方向性は,自分の目標と今の実力によって,いくつかのパターンに分かれます。
☆ とりあえず大学入試だけを視野に
この場合,文法が好きだろうと(そんな人いない,と思われがちですが,案外いるんですね)嫌いだろうと,志望校で出題されるレベルまでは伸ばさなければなりません。ただし上位校には文法プロパーの問題は出題されない大学もあるので注意。まあ,その大学一校しか受けないという人は少なく,何校も受ければ文法重視大学もあるでしょうから,最低センターレベルまでの力はどの大学を受けるにせよ必要でしょう(実力のある人ほど失敗例が多いので注意しておきますが,センターをなめないように)。
● 高校・塾・予備校で文法の体系的授業が行われていて,順調に力がつきつつある場合
この場合は授業(+予習・復習)を中心に勉強を進めていけば十分です。不明なところを参考書で補っていきます。11月頃から過去問などで実践的な力を養ってください。
● 文法授業についていけない,文法授業がなくて自分でも実力不足だと感じる場合
いちど基礎的な文法について概説した本を短期間で仕上げておくといいですね。「短期間」でいっきにというところが大事。文法のおおまかな全体像をつかんでおきたいのです。目標は,品詞の働き・品詞の区別・文型あたりの基礎知識をつけることです。
この目的の文法書は少し前までは,
あたりだったのですが,最近はこれでも難しいと感じる生徒が増えてきました。そういう人は,題名に「はじめから」とか「基礎から」という文句がついている本の方がいいかもしれません。このサイトにも基礎概念だけを解説したページを近日中に載せます。
☆ 入試と関係なく,英語力全体を伸ばしたい場合
この場合でも,文法は基礎レベル(大学入試で言えばセンターレベル,英検で言えば2級レベル)までは押さえておく必要があります。その以上のことは,文法として勉強するのではなく,本を読んだり,リスニングをしながら疑問が湧いたときに文法書で調べるという勉強法がオススメです。そのときに使う「文法書」は,受験生の場合と同様に考えていいでしょう。
「分厚い参考書」のはなしに入る前に終わってしまった。以下次号(って,つまり来週)。
(つづく)