= 関係形容詞の what =
今回取り上げるのは,「なけなしの金」構文というネーミングで知られている,関係形容詞 what の用法です。たとえばこんな文。
She gave him what little money she had. 「彼女はなけなしの金を彼にあげた」
大学入試で出題されるのはこの「なけなしの金」という文が圧倒的に多いようです。
公式化すると,
what + (little/few) + 名詞 + (S) + V 「(Sが)Vする名詞すべて」
ということになります。要するに,
- ふつう関係代名詞でお目にかかる what は,名詞にかかる用法がある
- 名詞にかかるので,形容詞のなかまと考えられ,「関係形容詞」と呼ばれる
- 意味は「・・・・すべて」の意味になる(つまり whatever とほとんど同じ)
- 「わずかながらも」を表す few, little が名詞の前に置かれることもある
ということです。先の例文の what little money she had を直訳すると「彼女が持っていたわずかな金すべて」ということになります。「なけなし」という日本語は国語事典では「わずかしかないこと。それしかないこと。」と出ています。「それしかない」ってことは「それぜんぶ」と同じことですから,「なけなし」と訳されているわけです。
一見むずかしそうですが,よくよく考えるとたいしたことありません。
実は関係代名詞の what 自体も whatever と同じ意味で使われることがあるのです。
Give me what there is. 「ありったけのものを全部ください」
だから,結論として,関係形容詞の what のさきほどの定義を言い換えると,
- 関係代名詞の what は whatever 「・・・するものは何でも」の意味になることもある
- この用法の what は形容詞的に用いることができる
ということにすぎないのですね。
【問題】 答えはミエミエなので,意味を考えてください。
(1) I gave him ( ) little help I could. (日大)
1. what 2. so 3. enough 4. all
(2) They broke down ( ) little resistance remained. (関西学院大)
ア.as イ.what ウ.which エ.whose
【答】
(1) わずかながらも私にできる助力はすべてやりました。
(2) 彼らは残っていたわずかな抵抗力もなくしてしまった。
なお, (2) では what little resistance が remained の主語になっていますが,主語になる場合は what よりも whatever を使うのがふつうのようです。