= 付加疑問文 =
聞き手に同意や確認を求めたり念を押したりする付加疑問文。中学校で習いますから,特に難しくないですよね(It’s not difficult, is it?)。「~だよね」って感じで訳したり,単に疑問文として訳すこともあります。
- 文が肯定文なら否定の付加疑問,否定文なら肯定付加疑問
- 動詞は必ず,助動詞か be 動詞
- 主語は必ず代名詞
なんてあたりが中学校の範囲です。
付加疑問はどちらかというと,女性が好む形だと言われています。男性が使ってももちろんいいのですが,連発するのは女性が多いとは言えそうです。以前BBCの女子アナがインタビューで質問のほとんどを付加疑問で発しているのを聞いたことがありますが,確かにカワイイかんじでした。
一般的に,肯定文につける付加疑問文は相手がYesと答えてくれるだろうなと予想している場合,逆に否定文につける付加疑問文はNoを予想している場合に使われます。
また,イントネーションは上昇調(↗上げて読む)だと,ふつうの疑問文に近づき,下降調(↘)だと疑問というより念を押しているだけ(「そうでしょ」)。
He didn’t come yesterday, did he? 「昨日彼は来なかった,よね?」(来なかったと言って欲しい)
He didn’t come yesterday, did he? 「昨日彼は来なかったでしょ」
さて,大学受験レベルとしては,
- Let’s ~. に対する付加疑問文は,shall we?
- 肯定命令文 に対する付加疑問文は,won’t you? または will you?
あたりに注意しておけばいいでしょう。命令文の場合,否定命令文には肯定のwill you? がふつうですが,肯定命令文では will you? と won’t you? のどちらでも使えます。ただし,
Come here, won’t you? まあていねいな方
Come here, will you? ちょっと強め
Come here, will you? かなり強い
would you? も可能ですが,ふつうはwillよりwouldがていねいであるのに,付加疑問ではwill you? とあまり変わらないようです。つまり強い,というかいらだちに近い。
最後は,超大学入試級。
肯定文に対して,肯定の付加疑問をつけることがあります。(否定+否定付加疑問はあまりない)特に,皮肉でいう場合が多いようです。「ふ~ん,・・・・ねえ」っていうかんじです。
So you call that hard work, do you? 「ふーん,君はあういう仕事をきつい仕事って言うんだ。」
【問題】
[1] It is a pity that nobody was saved in the accident, [ ] it?
(1) does (2) doesn’t (3) was (4) isn’t (センター)
[2] I think he didn’t come, [ ] ?
(1) do I (2) don’t I (3) did he (4) didn’t he
[3] 父親に結婚の承諾を求めるアマンダ。つきあい始めてまだひと月なので,父親はあまりいい顔をしない。アマンダは「あの人はそこらの男とは違うの。」と説得しようとするが...
Amanda: It is not a question of how long we have known each other. Besides, he is so different from others!
Father: Oh, he is different, ( )? How many times have you told me that? I remember that there was John, and before John there was …
(1) isn’t he (2) is he (3) don’t you think (4) won’t you think (慶應)
【答】
[1] と [2] は節が2つずつあるので,どちらに付加疑問をつけたらよいのかという問題。もちろんどちらについて尋ねたいのか,その疑問の中心を選びます。
[1] は it が書いてあるのでかんたん。「事故で誰も助からなかったなんて残念ですよね。(残念じゃない?)」 なので(4)が正解。
[2] は (2) か (3) ということになりますが,(2) なら「彼は来なかったと私は思うんだけど,私はホントにそう思ってる?」。(3) なら「彼は来なかったと私は思うんだけど,ホントに来なかった?」。当然,(3)。
[3] が超高校級問題です。父親が皮肉でいっているのがその後ろの言葉からも分かります。(3) が正解。(1) だと,上の方で書いたように,Yes の答えを前提にしていることになり,「違いますよね」と念を押してる感じになっちゃうわけです。
「どのくらい付き合ってるかって問題じゃないでしょ。それに,あの人はほかの男とは違うの。」
「ふーん,違うんだ。そういう言葉を聞くのは何回めかなあ。たしかジョンって彼氏がいたよね。その前は...」