自由英作文のためのいろいろな表現1

『自由英作文のための表現集』をこのサイトの「ページ」の方で計画中なのですが,ちょっと時間がかかりそうなので,こちらに草稿段階のものを載せることにしました。読解の手がかりとしてのつなぎ言葉を扱った Discourse Markers (指標語)というページもあります。

 

「・・・だと思う」 ― 意見をそのまま自分の考えとして提示する

「思う」「考える」をいつも I think で書くのは芸がないし,いちいち「・・・だと思う」と言う必要もない。言い切ってしまってもかまわないから,以下のものを使わない手もある。

  • I think that  S + V これがいちばん当たり前だけど,多用しないこと
  • I guess S + V, I believe S + V これらは I think とほぼ同じように使える
  • I am sure (that) S + V 「きっと・・・だと思う」というやや強めの表現
  • I cannot help thinking S + V 「・・・だと考えざるをえない」 なぜそれしか「考えの選択肢」がないのかの理由も述べておかないとまずいでしょう
  • I have to say that S + V 「・・・だと言わねばならない」 これも強いですね
  • It seems to me that S + V 「・・・ように思える」 逆にこれは弱め。 I seem … ではなく,形式主語を用いることに注意

 

「・・・だそうだ」 ― 伝聞・人から聞いたこと

もちろん, A scholar says … 「ある学者は・・・だと言っている」とか, I once read a newspaper article, which said … 「ある新聞記事を読んだことがあるのだが,それは・・・だと言っていた」というような書き方もアリです。

  • I hear S + V 「・・・だそうだ」 実際に聞いたのは過去でも,現在形を用いることに注意。特定の人に聞いたことというより,世間で言われていること
  • according to ~ 「~によれば」 これはおなじみでしょう。これを使う時は,S + say などを使う必要はない。つまり,☓ According to him, he says …
  • I was told that S + V 「・・・だと聞いた(ことがある)」 こちらは特定の人に聞いたこと。直訳では,「・・・と言われた」。誰に聞いたかも言いたければ, I was told by one of my teachers that … のようになる
  • We often hear it said that S + V 「しばしば・・・と言われるのを耳にする」 形式目的語を用いた表現。当然,世間でよく言われていることや決まり文句などを後にもってくる

 

「言い換えると」「要するに」 ― 同じ内容を,別の言葉で言い換える時

会話では, I mean をつなぎ言葉的に使って,"…, I mean, ~" 「・・・,つまり,~」が便利ですが,書き言葉では次のようになります。

  • In other words, … 「言い換えると,・・・」
  • to put it another way, … 「言い換えると,・・・」
  • By that, I mean … 「その言葉でわたしが言いたいのは,・・・」
  • that is (to say), … 「すなわち,つまり・・・」

これらを使わずに,コロン(:)でつなげる手もあります。There still remains an important issue: how we should spend the money. 「まだ重要な問題が残っている,つまり,いかにその金を使うべきかである」

言い換えは言い換えでも,前言を要約した言い換えは,

  • in short, … 「要するに」 いちばん簡単な表現
  • to make a long story short 「要するに」 直訳すると「長い話を短くすると」
  • to sum up 「要約すると」

この要約を最終部で行えば,次の,結論を導入する表現になります。

 

「結論として」 ― 最終的結論を述べる

最初にすでに同じことを言ってあれば,最後の部分に結論は必要ありません。最初でテーマの提示だけしかしていないなら,結論が必要になります。

  • in conclusion 「結論としては」
  • I [We] can conclude that S + V 「・・・と結論づけることができる」
  • I [We] can draw a conclusion that S + V 「・・・という結論を引き出すことができる」 これらは最終パラグラフに書くのがいいでしょう。 can を must にすることもできます。
  • It may be said that S + V 「・・・と言っていいだろう」これは結論以外でも使えますが,結論として使うとかなり弱め,控えめになります。断言を避けたがる日本人向けではありますが。

 

「だから,だとすれば」 ― 論理を一歩前に進める

<原因 → 結果> を述べる表現。「その結果」「だから」「従って」「それゆえに」などのはたらきです。いちばん簡単なのは, so ですね。

  • accordingly, therefore 「だから,したがって,それゆえ」 文頭だけでなく,文中に挿入することも可能
  • hence, thus 語源的な意味は, hence = from here 「ここから(次のことが言える)」, thus = in this way 「このようにして(次のようになる)」 hence は少し硬い文書で使う。
  • as a result 「その結果として」 「その」と訳すけれども the ではなくて a です。
  • for this reason 「この理由のために」 理由が複数あれば for these reasons。 this(these)の代わりに, that(those)も。
  • That’s why S + V 「そういうわけで・・・」 文法でやったと思いますが, That is the reason why S + V のthe reasonが省略されています。直訳は「それが・・・の理由だ」。 That を This にしてもOK。
  • It follows that S + V 「したがって,・・・ということになる」 直訳すると「・・・ということが後に続く」。前文を受けて,前文の論理的帰結として「・・・」が言える,ということ。
  • If so, … 「だとすれば」 直訳すると「もしそうならば」ということ。

 

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